勝負の鍵はドラフトにあり!?大魔法使いを目指す『Seasons』紹介
◆プレイ人数
2~4人
◆プレイ時間
60分以上
◆ルールの難しさ
少々難しい
有名オンラインボードゲームサイトBGAで遊べるゲーム『Seasons』の紹介です。
日本語名は『十二季節の魔法使い』
プレイヤーは王国一の魔法使いとなるため、3年間に及ぶ魔法使い同士の戦いの中で、より多くの魔力を集め、使い魔を召喚し、魔法の道具を創造することでクリスタルをあつめていくことを目指します。
このレベルのボードゲームが無料で遊べてしまうのがすごいです。それでいてめちゃくちゃオモシロイです。
◆ルール説明(簡略)
このゲームはいくつかの要素が複雑に絡み合っており、細かいルールもあるため簡略化して解説していきます。
このゲームは『十二季節の魔法使い』という名前の通り、12回季節が巡る、つまり3年間の区切りが存在します。それぞれ水の季節、木の季節、炎の季節、大気の季節となっています。
そしてこのゲームにおける、プレイヤーの目的は
「ゲーム終了時に他プレイヤーよりもたくさんのクリスタルを獲得していること」
です。これによって自分が他の魔法使いより優れた魔法使いであることをアピールするわけですね。
クリスタルはいくつかの方法で貯めることができますが、主に以下の4通りです。
1、魔法のアイテムを召喚する
2、使い魔を召喚する
3、魔力トークンを変転する
4、サイコロによって入手する
・・・さて、いくつか知らないワードが出てきましたね。
<使い魔・魔法のアイテムカード>
使い魔と魔法のアイテムは上記のようなカードです。
左上の数字がそのまま入手できるクリスタルの数を示しています。
つまりカードは(基本的には)召喚できれば召喚できるほど良いわけです。
各カードには固有の能力があり、例えば「信心深きサイラス」なら
《発揮》あなたの各対戦相手はカードを1枚生け贄にする。
というもの。相手が召喚したカードの中から一枚捨てさせることができます。序盤に選択権がない場面で使うことができればなかなか強力な効果です。ポイントが14点と高いのも◎
プレイヤーはゲーム開始直後、9枚のカードの束の中から「これが使いたい!」というものを一枚ずつピックアップしていき、合計9枚のカードを入手することができます。
そうして9枚のカードを3枚づつにわけ、1年目に使うカード、2年目に使うカード、3年目に使うカードに分類します。このカードは一年たつごとに手札に加わります。
サイコロでカードをドローできるものを選んだり、魔法のアイテムカードを使ったりすれば手札を増やすことができます。
ちなみにゲーム終了時(3年目が終わった地点)で、手札の残っている枚数×5クリスタルが減点されちゃいます。なので引きすぎには注意!
<魔力トークン>
魔力トークンとは、主にカードを召喚するために存在するエネルギーのようなもので、季節に応じて水、木、炎、大気の四種類が存在します。
例えばこれらのカード、「信心深きサイラス」ならば、炎のトークンが3つあれば、それを支払うことにより召喚が可能です。「春の杖」なら木が3つですね。当然複数の種類を必要とするカードもあります。
この魔力トークンを入手する基本的な方法はサイコロです。これについては後述。
そしてこの魔力トークンは基本的には7つまでしか所持することができません(所持枠を増やす魔法カードも存在する)溢れてしまった分は捨てる分を選んで廃棄します。
さらにこの魔力トークン、ゲーム中直接クリスタルに「変転」を行うことができます。変転とは、魔力トークンをクリスタルに変換することを指します。
クリスタルと魔力トークンの変転レートは、それぞれ季節によって決まり、具体的にはその季節に出にくい魔力トークンの変転レートは高くなっています。(水の季節ならば木の魔力トークンが一つあたり3クリスタルに変転できる。)
この変転レートは上に貼りつけた季節のマップの中央に記載されていますね。(黒いダイスの位置が現在の季節と月)
<サイコロ>
ゲームはターン制で進行します。ターンが始まるとプレイヤーの人数+1のダイスが降られ、親から好きなサイコロを選択します。
サイコロの記号の意味
★・・・召喚ゲージを1増やす
数字・・・クリスタルが数字分増える
マーク・・・該当するマークの魔力トークンがもらえる
枠・・・そのターン、そのダイスを選択したプレイヤーは変転を行うことができる
■ ・・・カードを一枚引くことができる(引かないこともできる)
下部の点・・・そのターン残ったサイコロに存在する点の数だけ、季節のダイスが時計回りに進む
<召喚ゲージ>
さて、手札にあるカードは、魔力トークンがあれば任意に召喚できるわけではありません。召喚するためには、自分の目の前に召喚するための枠、「召喚ゲージ」を作る必要があります。これはサイコロで★がついているものを選べば1増えます。
まずは召喚ゲージを増やさないと話にならないので、みんな欲しがります。
さて、基本的な用語は説明し終えました。ゲームの進行は以下のようになります。
1、ゲーム開始後、各プレイヤーがカードをドラフト、3枚ずつに分ける。
1年目に相当するカード3枚を受け取ります。
2、ターン開始、サイコロが振られ、親から一つずつサイコロを選択する。
3、サイコロに応じた魔力トークンや召喚ゲージ、クリスタルが与えられ、召喚ゲージがあるならカードを召喚することができる。1ターンに何枚でも可能
4、最後のプレイヤーまでプレイが終了したら、季節のダイスを残ったサイコロの点の数だけ時計回りに動かす。→2へ
これが12回季節が変わるまで繰り返されます。1年目が終わった時点で2年目に割り振った3枚のカードがもらえ、2年目が終わったときは最後の3枚がもらえます。
最終的な得点換算は
1、召喚した魔法のアイテムカードおよび使い魔カードのクリスタルポイントの合計
2、自分が所持しているクリスタルの合計
1+2が大きい人が勝ちです。
<Tips>
※各プレイヤーは自分のターンに1度だけボーナスを受け取ることが可能
ボーナスには4種類あり、どれを選択してもよいが、ゲームの最後の得点換算において使った回数に応じてマイナス点が課される
※季節ダイスがある地点によって、振られるダイスの種類が異なる。ダイスには季節によって出やすい魔力トークンと出にくい魔力トークンがあり、変転レートが低いものが出やすく、高いものが出にくい。
◆プレイした感想
深い戦略性と素晴らしいゲームバランス
互いのプレイヤーが公正な状態からガチ目な戦略を考える必要のある良質なカードゲームです。
説明が煩雑になるため各カードの効果などは割愛させていただきましたが、
多彩なアイテムとその効果があり非常に戦略性の深いゲームとなっています。
さらにゲームバランスについてもかなり深く考察されており、
強い効果をもつカードはクリスタルの量がかなり控えめに設定されていたり、逆にマイナスのポイントをもつカードまで存在します。
またサイコロを「振る」のではなく「選ぶ」というプレイヤーに対して選択の余地を与えているところもうまい。単に振るだけなら運の要素が強すぎますが、選ばせることによって戦略性がいい具合に組み込まれている。ま、当然親プレイヤーから選んでいくことになるので、どのタイミングで親が回ってくるかという運はありますが。
さっとルールについては記載しましたが、インストには正直結構時間がかかるゲームと言わざるを得ません。一通り説明したあとにプレイを開始しても最初の方に説明したことがすっぽ抜けている、なんてこともよくあります。
しかしプレイしていくと
「このカードが早く使いたいから次はあの魔力トークンを狙おう」
「そのためにまず召喚ゲージが必要だけど、一緒に描いてあるあのトークンはいらないんだよな・・・」
「あっ、他プレイヤーの妨害でマナが減った!次ターンであいつが欲しがってるダイスを取ってやろうか」
などなど、次にやりたいことがどんどん浮かんでくるので自然とルールは覚えることができるでしょう。
気になる人は一度プレイしてみてくださいね!